【眼科医が教える】目薬は1回に〇滴するのが正解

「目薬って1回に何滴したらいいの?」
「1回に3,4滴さしたほうが効くと思ってる!」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

目医者の兄ちゃん

はじめまして。
私はこのブログを運営している目医者の兄ちゃんと申します。

知っているようで知らない目薬の豆知識に

<目薬は1回に何滴するのが正解なのか?

というものがあります。みささんはご存じでしょうか?

わたしたち眼科医からすると、当たり前になりすぎて
患者さんへお伝えはしないことが多いですが、

「1回に何滴したらいいんですか?」「1回にたくさんしたほうが効くんですよね?」

と質問されたときに

あれ?意外と知られていないんだな・・・

と感じることがあります。

もしかすると、けっこう多くの方が知らずのうちに間違った使い方をしているのかもしれません。
間違った使い方をしていると、効果がなかったり、かえって目に悪いということもありますので実は注意が必要なんです。

そこで、今回この記事では

<目薬は1回に何滴するのが正解なのか?>

について説明したいと思います。

目次

基本は1回に1滴

まず最初に質問にお答えすると

基本は1回に1滴です

目薬は基本的に1回に1滴で効果が出るように設計されています。
なので、1回に2、3滴とかやっても意味がないどころか
角膜が傷ついて目に激痛が走ったり、効き目がへったりすることがあるので、
やめておいたほうがいいです。

1回にたくさん目薬しない方がいい理由

「べつに1滴以上してもダメっていうわけではないですよね?」

このように聞かれることもありますが、
間違ってしてしまったり、目に入らなかったから追加でもう一滴・・
という場合はいいのですが、毎回ずっと1滴以上するのはおすすめできません。

理由は大きく3つあります。

そもそも目に入りきらない

目に入る目薬の量の限界は30μLといわれています。

一方で、目薬1滴に含まれる量は約40μL(30~70μL)なので

目薬1滴ですでに目のキャパを超えているんです。

イメージでいうと何滴も目薬をするというのは
満タンのコップに水を入れ続けていることと同じになります。

なので、そもそも意味もないですし、
すぐに目薬がなくなってもったいないので、おすすめはしません。

目に激痛が走る可能性がある

目の黒目の部分で、目薬がまずあたる部分を角膜といいます。

目薬には、長持ちさせるように防腐剤が入っています。
一度にたくさん目薬したり、必要以上に目薬を続けていると、
この防腐剤が黒目(角膜)に悪さをして、傷がいくことがあります。

実は、黒目(角膜)には痛みを感じる神経がとても豊富なので
キズがたくさんできると、激痛が走ります。 

嘘みたいに思うかもしれませんが、
痛みに耐えられなくて、救急車を呼ぶ人もいるくらいです。

(若いときは、これで夜中によく救急に呼ばれました)

痛みだけならまだしも、その傷から細菌感染してしまうと、
大変なことになりますのでやめておくほうが無難です。

効果が減ることもある

すべての目薬に当てはまるわけではないのですが、
1度に2滴以上、緑内障の目薬をすると効果がへるという学会発表をみたことがあります。

緑内障の目薬は、眼圧を下げる目薬ですが、
たくさん頑張って眼圧を下げたいと思って、1度に複数回点眼をしたら
1滴だけの人と比べると、かえって眼圧は高くなったという結果でした。

目薬は5分以上開けずにすると、水を差しているのと一緒とよく言われますので、
もしかすると何度か目薬をするうちに洗い流されてしまったのが原因かもしれません。

一度に何滴もしたほうがいい場合もある

これまで原則は1回に1滴ですとお伝えしてきましたが、例外もあります。

〈目の中の異物や悪い成分を洗い流す目的〉の際にそのように使うことがあります。

ただ、そういう使い方は特殊なので、目薬を出す眼科医が
「一度に何滴かしてくださいね」とお伝えすると思います。

あとは、花粉の時期に目に入った花粉を洗い流す目的だったりする場合は
1度に何滴かしてもいいと思います。

ただ、その場合は防腐剤の入っていない、目にやさしい目薬をするようにしましょう。

さいごに

ここまで、目薬は一回に何滴するのが正解なのか、について解説してきました。

まとめると、原則は1回1滴で、それ以上すると、かえって意味がなかったり、目に悪影響がでることがあります。

もちろん例外もあるので、気になる人は主治医の先生や薬局の方に確認してみていただくといいかと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

MEISHA Mediaは、小学生の頃からの近視と乱視に悩む弟が、SNSでみた視力回復トレーニングで成果が得られず、兄である眼科医のわたしに相談をしてきたことから始まりました。日頃、手術で視力を取り戻す人々を見てきた私は、弟だけでなく、他の人たちも同じような人がいるかもしれないと思い、医学的に正しい方法を伝えるためにこのサイトを立ち上げました。私たちの経験を活かし、眼科医監修のたしかな医療情報と、信頼できる眼科クリニックを選ぶサポートができることを目指しています。

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