職場の上司が老眼ですごく困ってるらしく、お兄ちゃん眼科医だったら、一回レーシックで治せないか聞いてくれないかって頼まれたんだよ。ネットで見たら、”治療できます!”っていうところと、”レーシックでは治せません”というところがあって、何が正しいかわからなくなっちゃったみたいで。本当のことを教えてほしいっていわれちゃってさ。兄ちゃん知ってる?
レーシックで老眼が治せないかって、外来でもよく聞かれるよ。
たしかにネットには、「できる」だの「できない」だの言ってることが違うよね。それにはいろんな理由があってね、、
ちょっと説明していくね。
50歳にさしかかってくると、急に手元が見えにくくなってきます。それがまさに『老眼』。眼精疲労になったりと、働き盛りの人々を悩ます一つの体の変化です。そしてこの老眼を治療するために視力回復で有名なレーシックで治療できないか?と思っている方も多いです。ただ、ネットにはレーシックで治療できる!と言っている病院やレーシックは老眼を治す治療ではないといっている病院があり、困惑する人も多いです。
これはなぜかというと、レーシックで老眼を治療できるというのは、一部は本当で、方法は2つあり、遠近両用レーシックとモノビジョンレーシックという手法があります。ただ老眼の治療を目的としたレーシックは、実は日本では一般的ではありません。そのため行っている病院が少ないために、レーシックで老眼が治療できると書いてあったり、治療できないと書いてあります。
もしレーシックで老眼を治療しようとするのであれば、信頼できる病院でメリットとデメリットを理解して治療をうける必要があります。この記事を少し参考にしていただければ幸いです。
この記事は、30代サラリーマンの「しょうた」と、
その兄で現役の眼科医である「目医者の兄ちゃん」の実際の会話をもとに書いています。医学的な部分は目医者の兄ちゃんが執筆しています。
レーシックによる老眼治療は日本では一般的ではない
たしかにレーシックって若い人がうけて視力回復するイメージだよ。
そうなんだよ。レーシックはそもそも老眼を治す目的で開発されたものではなく、近視や乱視を治療する目的で開発されたものなんだ。
実は、日本において、レーシックで老眼を治療するというのは一般的ではありません。そのため、レーシックで老眼を治療している施設は限られています。そのことが、レーシックで老眼を治療できる、と言っている病院があったり、レーシックでは老眼は治りませんと言っている病院がある原因となっています。
レーシックは主に近視・乱視をなおす治療
そもそもレーシックは近視や遠視、乱視を治す治療で、老眼を治す目的で開発されたわけではありません。レーシックをうけるのは20代や30代といったまだ老眼になっていない人たちが多いので、メガネなしでなんでも見えるというように喜びが大きいです。しかし老眼まで治療しているわけではないので、彼らもいずれ50歳になるころには老眼で手元が見えにくくなります。
若いときにレーシックを受けた人もいずれは老眼になる
実際15年くらい前にレーシックをうけ、今50歳近くになった人が最近受診されましたが、やはり老眼で手元が見えにくくなってきたという人はしばしばおられます。さきほどもいったようにレーシックは老眼も治療するわけではないので、老眼がでてくるまでは、遠くから手元までメガネなしでみえて、快適な生活が続きますが、老眼がでてくると、そういうわけにはいきません。
一方で、レーシックで老眼を治す方法は存在する
ここまで、レーシックでは老眼治療はできないというようなイメージを持たれてしまったと思いますが、もちろん次から説明するような方法を使って、老眼治療としてレーシックをすることはあります。でもあまり多くの施設でやっているわけではないので、受ける場合は、一度診察を受けたうえで、その治療のメリット・デメリットを聞いたうえで決めていただくことが大事です。
レーシックで老眼を治す方法は2つある
矛盾するようだけど、一方でレーシックで老眼を治す方法というのはないわけではないんだ。
そうなんだ。どんな方法があるの?
モノビジョンレーシック
モノビジョンというのは右眼で近くをみえるようにして、左眼で遠くを見えるように(逆もあります)する方法です。その結果、両目を使えば遠くから近くまでみえるようになるよね、というコンセプトの治療方針になります。この話を聞くと、それでいいじゃんと思うかもしれませんが、メリットとデメリットが存在します。
メリット
- うまくいけば老眼症状が軽減する
老眼は遠くは見やすいけど、手元が見えにくいという症状ですが、このモノビジョンレーシックをうけることによって、両目を使って、遠くから手元まで見えるようにすると、老眼が改善する可能性があります。
- 見え方のシュミレーションができる
レーシックは視力がきちんと出る目にする手術なので、もしモノビジョンを希望するんだったら、事前に右目と左目に違う度数のコンタクトを付けてもらって術後の見え方をシュミレーションすることができるので、それをしてメリットデメリットを実際に体感してから手術をうけることができます。するんだったらいきなり手術するより、シュミレーションしてからのほうが安心ですよね。
デメリット
- 遠近感がつきにくくなることがある
人は2つの目で、ひとつのものを見ることによって、はじめて、立体感を得ることができます。このモノビジョンレーシックをすると、右眼は手元を見る専用、左眼は遠くを見る専用みたいに役割分担されてしまうため、立体感がつきにくくなってしまう→遠近感がわかりにくくなってしまうということになる可能性があります。
遠近両用レーシック(プレスビーマックス)
レーシックは角膜を削って近視を治す方法ですが、その削り方をカスタマイズして、老眼を治すという方法で、遠近両用レーシックという方法が存在します。こちらは本当に行われている施設も少なく、わたし自身も経験がないため、実際どうなの?という質問に答えることができません。ただ、海外の論文を見ている限りですと、比較的いい成績も出ているので(悪い結果だと論文にはならないとも思いますが)、怪しい治療というわけでもなさそうです。調べると、レーシックの大手である品川近視クリニックで治療をやっているようですので、気になる方は受診して先生のお話を聞いてみてください。
近視クリニックということもあって、症例数や経験数も豊富なので、その先生から実際の声を聴いたうえで、治療を受けるかどうかご判断されるのがおすすめです。
レーシックで老眼治療が気になる人へおすすめのクリニック
すこしわかったような気がするよ。でも単純にできるとか、できないっていうものでもないんだね。
そうだね、よければ職場の上司に教えてあげて。
そうするよ…でもちょっと難しいから、この記事を読んでもらうようにするよ。よかったらおすすめのクリニックも載せておいてよ。
レーシックをしている眼科のクリニックは最近増えてきていますが、やはり一般的に日本ではレーシックで老眼治療は行われていないため、施設も限られています。もしレーシックで老眼治療が気になるという人は、全国展開もされている大手の品川近視クリニックがおすすめです。わたし自身はレーシックで老眼治療を行ったことがないので、恥ずかしながら、とやかく言える立場ではありません。経験豊富な先生にお話を伺うほうことをおすすめします!
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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