ICL術後に目が痛くならないか心配…!眼科医の兄に聞いてみた

しょうた

視力を回復したくて、いまICLを受けるか考えてるけど、
手術した後に痛くならないか心配・・
そうだ、目医者になった兄ちゃんに聞いてみよう!

目医者の兄ちゃん

それ、よく聞かれるよ。特別に今日は
実際のリアルな話をしていくね。

視力を回復したり、近視を治すためにICL手術を検討する人は年々増えています。そこで多くの方が手術前に抱える不安に「術後、目は痛くならないだろうか?」や「レンズが常に目の中にあると、何か問題が起きるのでは?」といったものがあり、外来でもよく質問されます。

このように、そのような疑問や不安をもつ方は少なくないです。
特に、術後の痛みについては、多くの方が気になるポイントだと思います!

そこで今回の記事では、ICL術後に目が痛くならないかについて心配が解消できるよう解説していきます。

この記事は、30代サラリーマンの「しょうた」と、
その兄である「目医者の兄ちゃん」の実際の会話をもとに書いています。医学的な部分はもちろん目医者の兄ちゃんが執筆しています。

わたし、目医者の兄ちゃんの眼科医としての経験や、日常での患者さんとの対話をもとに、実際のリアルな情報をお伝えしたいと思います。術後の痛みが気になって手術を受けるかどうか迷っている方の不安を解消できれば幸いです。それではよろしくお願いします!

目次

ICLの術後はレンズが目の中に入ってるけど、基本的に目は痛くならない

目が痛くなってICLを取らないといけなくなる?

しょうた

手術の後に痛くなってICLを取らないといけなくなることってある?

目医者の兄ちゃん

それは基本的に心配無用。
痛みが原因でICLをとることはほとんどないと思うよ!

コンタクトをして目が痛くなった経験はだれしもあると思います。ICLは目の中にコンタクトをいれるような手術だから、目の中にレンズが入っていて目が痛くなることはないの?痛くなってICLをとらないといけなくなったらどうしよう・・と心配になると思いますが、ICLの術後に目が痛くなって、ICLを取り出さないといけなくなるケースはほとんどありませんし、基本的にICLが原因で目が痛くなる可能性は低いといえます。

痛くなる可能性が低い理由

なぜ可能性は低いといえるの?と疑問に感じると思います。少し専門的な話になりますが、目が痛くなる原因は主に角膜(黒目といわれる部分、コンタクトをつけるところ)に傷ができたり、ぶどう膜炎、眼内炎といって、目の中に炎症が起こることなどがあげられます。
ICLをいれたから目にキズが入るわけでもありませんし、ICL自体とてもやさしい素材でできているので、目の中に入ることによって目に炎症が起きる可能性はとても低いです。一方でコンタクトレンズを使っているほうが、毎日長時間、角膜(黒目)につけることになるので、傷がつきやすかったり、コンタクトアレルギーを起こす原因にもなります。むしろコンタクトを毎日つけるよりもICLのほうが痛みが出る可能性が低いのではないかとも思ったりします(勝手な見解です)。
簡単にまとめると、ICLは傷ができる原因にもなりにくく、目に炎症が起こりにくい設計なので、術後に痛くなる可能性は低いといえます。

実際に術後のひとを診察している印象

 以前勤めていた眼科クリニックで、たくさんICLをいれた患者さんを実際にみていました。もちろん問診ですべての方に痛みはないですか?と聞いていますが、術後に「目が痛い」という人はほとんどいてませんでした。それよりも

裸眼で見えすぎて感動してます!

メガネなしの生活が快適すぎて、元に戻れません!

といった嬉しい声を聴くことのほうが圧倒的に多く、すばらしい治療だな・・と感じることが多いです。
話が少し脱線してしまいましたが、ICLの手術をして半年後まで定期受診で診察させてもらっていましたが、たしかに手術の直後に関しては、痛いというほどではないけど、目が少しコロコロするような違和感を感じるという人はいてますが、目がすごく痛くなってどうしようもない!という人はほとんどいてませんでした。また、術後に違和感があった人も1週間くらいで自然と治る人がほとんどでした。

もちろん痛みがでてくる可能性がゼロというわけではないですけどね。(のちほど紹介するのですが、自分の患者さんは痛みが出てこなかったのに、ICLを紹介した友達に術後の目に激痛がでてしまいました・・)

それでもたくさん患者さんを診ていると、基本的に目が痛くなる可能性というのはとても低いと考えられます。

目の中にずっとレンズが入ってることは問題ない

ICLのレンズは目に悪影響をおよぼさない

しょうた

痛みがないってことがわかって少し安心したよ。
…けど目の中にずっとレンズが入っていることで目に悪影響はないの?

目医者の兄ちゃん

それも心配はないよ。
詳しく説明するね。

レンズとはいっても、たしかに目の中に異物が入るので、将来的に目に異常が出てこないか心配になって当然ですよね。しかしこちらのお悩みに関しても心配ご無用です

ICLが世に出る前、もちろん世界中の眼科医が同じようなことを懸念していました(今でも疑問に思っている眼科医もいるかもしれません)。ICLは最近話題になったので、最近できた技術のように思っている方もおられるかもしれませんが、実は何十年も前から研究開発されています。そのなかで世界中の眼科医たちが幾年も研究を重ねた末に「目の中に異物を入れておいて問題ない」というように安全性が確認されてから世に出ているので、まず心配はいりません。

悪影響がないと考えられる理由

ICLの形は改良されて今にいたる

今ICLで主流なのは、hole ICLといってICLの真ん中に穴が開いている形状のものが主流になっています。おそらくどこのクリニックのホームページをみても、真ん中に穴が開いているものばかりだと思います。もともとは真ん中に穴が開いていない形のものばかりでしたが、それだとまれに急性緑内障発作といってある日突然目に激痛が走るという事態がおこるがありました。これは目の中にレンズが入ることによって、目の中の水の循環が悪くなって、水が排出されないことが原因でした。それを解決するためにレンズの中に穴を作ることによって、水が通るようになり、急性緑内障発作は起きることはほとんどなくなりました。※ちなみに急性緑内障発作は目に激痛が走るだけでなく、かなりひどい頭痛、嘔吐が起こる病気です。正しく治療しないと失明にも至る怖い病気です。

目医者の兄ちゃん

今のICLでは、その心配はほとんどないといえるでしょう。

角膜内皮細胞がへらない

こちらも少し専門的な話になってしまいますが、目の中に異物が入ることによって心配になるのは、角膜内皮細胞が減らないかどうかということになります。角膜(黒目)の内側には内皮細胞という細胞がありますが、一度死んでしまうともう元に戻らないという特徴があります。この内皮細胞の働きは角膜(黒目)を透明に保つことで、減ってしまうと、黒目が濁ってしまって、目が見えなくなってしまいます。目薬では治すことができず、現段階での治療は、角膜移植しかありません。
そのため内皮細胞が減らないかどうかということが目の中にレンズを入れる際に注目されますが、これも長年の研究で内皮細胞が減らないといわれているので、悪影響はないと考えられます。

ICLのレンズの寿命はほとんどない

しょうた

ICLのレンズって何年もつの?

目医者の兄ちゃん

基本的に100年以上は持つといわれてるよ。

冷蔵庫や洗濯機のように、私たちの生活を豊かにしてくれるものには、ある程度寿命がありますよね。患者さんからもこのように入れたICLのレンズって何年持ちますか?と聞かれることがよくありますが、基本的にICLに寿命はありません。それくらい安全で安定した素材で作られています。じゃあ実際に20年、30年ICL入れてる人を見たことあるんですか?と聞かれたら、正直に言ってないですが、レンズの種類は違いますが同じように白内障手術を受けて目の中にレンズが入っている患者さんはたくさんみていても、20年前に手術して眼内レンズをいれていて、今も問題なくよく見えている人はたくさんいるので、心配はないと思います。

もし万が一、目が痛くなったらどうしたらいい?

目が痛くなったら手術を受けた病院を受診する

しょうた

じゃあ兄ちゃん、
目が痛くなることは絶対にない・・?

目医者の兄ちゃん

世の中絶対ってことはないし、とくに体のことだから100%ないといったらそれは嘘になっちゃうね。でも可能性はかなり低いと思うよ。

ここまで痛みはないですと言ってきておきながら矛盾もしますが、まれに、目が痛くなることはあります。原因として考えられるのは一つではなく多岐にわたるので、正確な診断が求められます。もし万が一術後に目が痛くなったら、まずは手術を受けた病院を受診して治療を受けるようにしましょう。そのため、普段ICLに限らずいろんな目の治療を行っている眼科やICLの実績がたくさんあるクリニックで手術を受けることをお勧めします。かならず信頼できる病院、クリニックで手術を受けるようにしましょう!

目が痛くなる原因

術後に目が痛くなる原因として、眼精疲労だったり、ぶどう膜炎や眼内炎、緑内障発作などが起こる可能性が考えられます。軽症な場合は目薬の治療で済みますが、眼内炎だったり、緑内障発作であれば緊急で治療が必要になるので、痛みがある場合は我慢せずに早めに眼科を受診するようにしてください。

ICLを紹介した友達の体験談

しょうた

実際兄ちゃんの知り合いでICLを受けた人はどんな感じ?

目医者の兄ちゃん

友達何人か紹介して、手術を受けたけどみんなかなり喜んでたよ!
でも一人だけICLを受けた友達が手術した後に目が痛くなってきて、
どうしたらいいか?ってLINEがきたこともあったね・・

実際にICLをうけた友達の話です。彼は手術直後は痛みなく視力も回復し、普段快適にすごしていたのですが、半年ほどして目の痛みがでてきてしまい、どうしたらいいか、と連絡がきました。すぐに手術を受けた病院を受診するようにLINEで返事をしました。すると虹彩炎という目の中の炎症が原因で痛くなったということでしたが、幸い軽症で目薬の治療で無事になおり、今は何事もなく過ごしています。もちろん、彼には手術を受けるときにどこでICLをうけるのがおすすめか聞かれて、ICLだけでなく、手術を含め、いろんな目の病気の治療をしている有名な眼科を紹介しています。そのおかげですぐに正確な診断がついて適切な治療をうけることができたので自分もほっとしています。

目医者の兄ちゃん

実はこの友達は同じ病院で働いていた外科医の友達で、自分がICLをすすめていました。(内心、何かあったらどうしようと、とても心配だったので何もなくてホッとしました)

しょうた

それだったら安心だね。どこの病院がいいとかあったら教えてよ!

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございました。まとめると、 ICLの術後に目が痛くなる可能性は限りなくゼロに近いです。そしてずっと目の中にレンズが入っていること自体も基本的には問題ありません。ただまれに、術後に目が痛くなることもあるので、術後のアフターケアをしっかりしてくれる病院で手術を受けることをいつもおすすめしています。もし万が一目が痛くなった場合はICLを受けた病院をはやめに受診するようにしてください。もしICLをまだ受けていない人は信頼できるクリニックで受けるようにしてください。おすすめのクリニックについてはまたご要望があれば後日まとめたいと思います。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

MEISHA Mediaは、小学生の頃からの近視と乱視に悩む弟が、SNSでみた視力回復トレーニングで成果が得られず、兄である眼科医のわたしに相談をしてきたことから始まりました。日頃、手術で視力を取り戻す人々を見てきた私は、弟だけでなく、他の人たちも同じような人がいるかもしれないと思い、医学的に正しい方法を伝えるためにこのサイトを立ち上げました。私たちの経験を活かし、眼科医監修のたしかな医療情報と、信頼できる眼科クリニックを選ぶサポートができることを目指しています。

コメント

コメントする

目次
閉じる