本気で視力を回復させるにはどうしたらいいか?眼科医の兄に聞いてみた

しょうた

ネットやSNSにはいろんな視力を回復する方法が紹介されてるけど、実際どれがいちばんいいの?眼球マッサージとかって本当に効くの??
メガネなしの生活をしたいけど、兄ちゃん、いい方法教えてよ!

目医者の兄ちゃん

最近、近視とか乱視を治療して裸眼で生活したいという人は本当に増えているね。まさか自分の弟までそう思ってるとは!
たしかにネットには果たして本当に?と思う情報も多いから、
眼科医の目線でいいと思う治療方法を教えるね。

しょうた

手術は怖いけどな~、あわよくば手術せずに治す方法とかあったら教えてほしいです。。兄者様。。

目医者の兄ちゃん

じゃあ、手術をせずに治す方法も含めて紹介しよう!

最近、「視力を回復したい」「近視とか乱視をなおしたい」という人が増えています。
実家に帰って兄弟で集まった時、まさか自分の弟までそんなこと言いだすとは!と思ったくらいです。

そういう目医者の兄ちゃん自身も、小学生ころから近視になり、さらにその後乱視も出てきて今では裸眼の視力は0.01いくかどうか。自分の目をよくしたいと思ったのも眼科医を目指した理由の一つでした。

いざ眼科医になって働いてみると、治療を受けて近視がなくなり、眼鏡やコンタクトから解放された患者さんが、とても快適な日々になりました!と喜ぶ姿をよくみるようになりました。

実際、ドクターの友達何人かにも近視を治したいと相談を受け、治療を勧めたりもしています。手術を受けた友達からは、裸眼でとてもよく見えるようになったと今でも感謝してもらっています。

みなさんもすでにネットで近視や乱視の治療を求めて、いろんなサイトですでに知識を得ているのではないでしょうか。ただ、手術や治療の種類はいろいろあります。この記事を読まれている人の中には、

『で、結局どの治療が一番いいの?』

と思っている人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、医学的に視力を回復する方法とそのメリット・デメリットを紹介し、さらにどういう人にどの治療が向いているかを説明したいと思います!視力が悪くて困っている人、治したいと思っている人の一助になれば幸いです。

それではまいります。

この記事は、30代サラリーマンの「しょうた」と、
その兄である「目医者の兄ちゃん」の実際の会話をもとに書いています。医学的な部分はもちろん目医者の兄ちゃんが執筆しています。

目次

レーシック

しょうた

これは聞いたことある!
レーザーで視力を回復させる手術のことだよね!

目医者の兄ちゃん

そのとおり!
”視力を回復させる手術といえば、レーシック”というほど有名だよね。

しょうた

…でもレーシックって、調べたら危ないとか、失明するっていう記事とかも見たけど、実際のところどうなの?

目医者の兄ちゃん

弟ながら、よく調べてるな!
そのことも踏まえながら詳しく解説しよう。

みなさんも近視を治す手術ときいてまず思い浮かぶのは、「レーシック」ではないでしょうか。角膜(黒目)をレーザーで削って近視を治し、裸眼で見えるようにする手術です。あまり知られていませんが、実はレーシックの歴史は古く『世界では20年以上、累計4000万眼以上の治療歴』を有する歴史ある手術なんです!

目医者の兄ちゃん

実は私も眼科医になるまで知りませんでした。

一方でレーシックは、一昔前に大流行りしましたが、その後‘危険’だとか‘怪しい’という間違った噂が広がってしまい、一気に下火となってしまいました。しかし、現役の眼科医からすると、この‘怪しい手術’とか‘危険な手術’という噂は、

間違っている』と断言できます。

今でもレーシックを受ける人たちはたくさんいますが、きちんと手術適応があると判断されて適切な手術を受けた場合は、かなりの高確率でよく見えるようになります。大事なことは『きちんとした眼科クリニックで信頼できる先生』に治療を受ければ、基本的には安全な手術といえます。

レーシックのメリット

しょうた

きちんとした眼科で受けるのならレーシックも安全ってことね。
いろいろ手術があるけど、レーシックのいいところって何?

目医者の兄ちゃん

そういうこと!
じゃあまずレーシックのメリットから解説していくね。

近視だけでなく、乱視や遠視にも対応している

「わたし、乱視が強いから多分レーシックは無理かも・・」

と思っている人はいませんか?外来をしていると、そう思っておられる患者さんに遭遇することがあります。『近視を治して視力を回復する手術』というイメージが強いレーシックですが、実は、乱視も治療することができます!

さらにいうと、遠視も治療することができます。原理を説明すると、難しくなりますが、簡単にご説明するとレーザーで角膜を削ることには変わりないのですが、その削り方を変えることによって遠視にも乱視にも対応することができる、ということなんです。

当然ながら適応検査を受けて、患者さんの目が手術適応に入っていることが前提条件になりますが、乱視があるから・・と諦めることはありません!裸眼で見えるようになりたいと思ったら、ぜひ医療機関を受診してみてください!

手術はほとんど痛みがない & 時間も短い

しょうた

お兄さん…正直に言うと、目にレーザー当てるとか、すごく痛そうで怖すぎるんですが、やっぱり手術は痛いよね・・?

目医者の兄ちゃん

手術の前にしっかり目薬の麻酔をするから心配いらないよ。
少し目がしみる感じはするけど、痛くてどうしようもないという人は
実際ほとんど見たことがないね。

レーシックに興味があるけど、二の足を踏んでいる人の多くが手術の時に痛みがないかどうか心配ではないでしょうか。施設にもよりますが、手術時間はだいたい両眼で20〜30分です。痛みはほとんどありません。

そうは言っても、今までいろんな手術を行ってきましたが、

目の手術を受けるの、別に怖くないよ〜と言ってる人は、ほとんどいません
やっぱり手術したら目が痛くなるんじゃないかと、みんな手術を受ける前は恐怖しかありません

なのでわたしは、手術翌日の診察の時みんなにどうだったか感想を聞いています。

「手術の日までは、やっぱりやめておこうかなと思うくらい怖くなったりしたけど手術受けしまえばあっという間に感じたし、痛みもほとんどなかったなによりあんな短時間で見えるようになるのでもっと早く受けておけばよかった!」

という人が多い印象です。手術怖いな〜と思っている人は、ぜひ参考にしてください!

ダウンタイムがほぼない(手術翌日には視力が回復することが多い)

しょうた

仕事もあるから、手術してすぐみえるようにならないと困るんだよな~
どれくらいで見えるようになるの?

目医者の兄ちゃん

手術の翌日には見えるようになっていることがほとんどだよ。
ただ、力仕事は控えるようにしたほうがいいね。

「レーシック後、いつから見えるようになるのだろうか」「いつから仕事復帰できるかな?」
 診察でこういったことについて相談されることがしばしばあります。

基本的に翌日には視力が回復していることが多いですので、よっぽどの力仕事などでなく、デスクワークなどであれば、基本的に翌日から復帰可能です!このようにダウンタイムがほぼないこともレーシックの大きなメリットですね。

コンタクトを使い続けるより経済的

しょうた

でもやっぱり手術だから高いよね・・

目医者の兄ちゃん

まあそうだよね。でも長い目で見たら、実はコンタクトを使い続けるほうが高くつくから、結局どっちが高いんだ?って話になるね。

お金の話になってしまいますが、コンタクトを使っている人は、おそらく生涯コンタクトを使い続けることになるでしょう。今は小学生や中学生でもコンタクトを使い始めている人が多いですが、仮に20歳からコンタクトを使い始めているとします。

本当は眼科でしっかりみてもらってコンタクトを買って欲しいですが、ネットで最安値のものを探してみると

  • 乱視ありで6箱(3ヶ月) 12,000円 → 1年で約5万円
  • 乱視なしで6箱(3ヶ月) 7,000円 → 1年で約3万円

LASIKの値段の相場は約20~30万円になるので、5年〜10年もすればLASIKの方が最終的に経済的です。体のことなので、お金で考えるのは、あまり良くないかもしれませんが、お金も人生ではとても大事ですよね。一つの参考になればと思い書かせてもらいました。

デメリット

しょうた

ここまで聞くとレーシックってよさそうじゃん!って思うね。
でもいいことばっかりじゃないと思うんだよな~
デメリットも教えてよ!

目医者の兄ちゃん

そのとおり。もちろんデメリットも存在する。
詳しく解説するね。

適応検査にひっかかると手術を受けられない

実は、レーシックはみんなが受けられる手術ではなく、適応検査をクリアした人しか受けることができません。適応検査と言っても、するのは目の検査になりますが、角膜の厚みを調べたり、特殊な乱視(円錐角膜など)がないか、目の病気がないかなどをしっかり調べます。

学会からも手術適応基準となるガイドラインが出ています。

あまりに近視が強い人だったり、角膜の厚みが足りない人、目の病気が見つかった人には推奨されていません。なぜ推奨されないかというと、もちろん理由があり、もし無理にレーシックをしてしまうと、後遺症が残る可能性があったり、逆に目が悪くなる可能性があるからなんです。

目医者の兄ちゃん

なので適応検査はかなり重要です。

もしレーシックの適応がないと判断された場合には、ICLの適応がないかなど、みてもらうことをおすすめします!

ドライアイになる可能性がある

ドライアイ自体は、誰しも一度は耳にしたことがありますよね?眼が乾燥して、違和感がでたり、夕方になると疲れて見えにくくなるという目の病気の一つです。

先ほどもお伝えした通り、レーシックは角膜を削る手術です。

角膜には神経がたくさんあり、そこを削ることによって神経にも影響を与えることによってドライアイが後遺症として残る可能性があります。すこし驚くかもしれませんが、レーシック術後は角膜を削る影響で

目医者の兄ちゃん

ほぼ全員、一時的にドライアイになります。

ただ、ご安心ください。通常は半年から1年で改善することが多いです。しかし人によっては症状が残る人、つまり後遺症になるひともいますので注意が必要です。

合併症のリスク

目医者の兄ちゃん

合併症というのは、手術中や術後に起こる問題やトラブルのことです

目だけに限らず、手術というのは、メリットが得られる一方で、少なからず合併症といって、なんらかのトラブルを生じる可能性があります(絶対に起こるというわけではありません)。
その点、レーシックは合併症が起こる可能性が低いため、安全な手術といわれていますが、どんなことが起こりうるのかということは手術を受ける前に知っておく必要があります。ひとつひとつの合併症については他の記事で、詳しく書いていますので、気になった方はぜひご覧ください。

一度削ると角膜は戻らない

レーシックは角膜を削る手術になりますが、一度削った角膜は元に戻りません。そのこと自体が何か不具合が生じるかというと、そういったことはありませんが、角膜が削られて薄くなるので、眼圧を測定すると、本来の値よりも低く出るようになります。

近視の矯正が足りない or 強すぎになる可能性

レーシックの手術をしている先生は、必ず患者さんの視力を裸眼で1.0や1.5見えることを目指して手術をしています。

そのために術前検査データを何度も見返したりして、手術に臨みます。その結果、ほとんどの方は裸眼1.5近くの視力になりますが、まれにそうならない方もいらっしゃいます。そうなると近視の矯正が足りなかったり、少し強めになる可能性があります。

しょうた

兄者…よくわからない。結局どういうこと?

目医者の兄ちゃん

簡単にいうと、近視の矯正が足りないというのは、少し度数の弱いメガネをかけたような見え方、矯正が強いというのは、少し度数の強いメガネをかけたような状態になるってことだよ。イメージできそう?

こうなったとしても、自覚症状がなかったり、徐々に見え方に慣れてくる可能性があります。どうしてもであれば追加処置を検討しますが、慎重に考えていくことになります。

将来また近視になる可能性(近視もどり)

目医者の兄ちゃん

レーシック術後、何十年たって、また近視になることもあるよ。

しょうた

えー、それじゃ意味ないじゃん!!

目医者の兄ちゃん

それが、実はそうでもないんだよ。

レーシック後、数十年時間がたつと、今度はどんどん老眼が出てきます。その時に少し近視があると、老眼がなくなるので、逆にメリットとなることさえあります。

先日、外来にきた40代の男性の方で20歳の頃にレーシックを受けた方がおられましたが、その方も少し近視が出てきていました。裸眼の視力は0.8くらいまで落ちていましたが、老眼がないので、

生活には全く困っていないし、周りが老眼で困っている中、
自分だけ老眼がないのでラッキーでしたね。

といっておられました。このようなこともあるので、将来的にまた近視になる可能性はありますが、そこまで心配はしなくていいように思います。

レーシックが向いている人

まとめると、近視が強すぎず、適応検査で十分にレーシックの適応である人にはレーシックが向いていると言えます。また、ICLほどの金額は払えないけど、目はよくしたい・・という人にもぜひレーシックを検討していただきたいと思います。

ただ、適応検査の結果が全てですので、ひっかかった場合は無理に手術を受けず、ICLなどを検討されることをおすすめします。

しょうた

よくわかった気がする!
他の方法も教えてよ!

ICL(眼内コンタクトレンズ)

しょうた

これって、目の中にコンタクトを入れるやつだよね!
最近よくネットで見るけど、実際のところどうなの?
眼科医目線では安全なの?

目医者の兄ちゃん

ICLは別名”眼内コンタクトレンズ”といわれているものだよ。
手術で目の中にレンズを入れて近視を治す治療で、すごく今手術を受ける人が増えているよ。安全かどうかも含めて、解説していくね。

河北真紀子さんや桐谷美玲さん、DAIGOさんなど色々な芸能人のかたが宣伝して最近有名になってきているICL
日本ではわかりやすいように眼内コンタクトレンズと言っていますが、ICLの正式名称はImplantable Collamer Lens

目の中に挿入できる(implantable) ‘コラマー(Collamer)’という素材でできたレンズ(lens)

という意味からなります。最近有名になったので、新しい治療かと思われているICLですが、実はレーシックより歴史が古いんです。それくらい何十年と改良が重ねられ続け、今のICLに至っているということになります。さてそんな豆知識は置いておいて

ICLってよく聞くけど、実際のところどうなん?」

と思っている人は多いのではないのでしょうか。眼科医の立場としてズバリお答えすると、

目医者の兄ちゃん

とってもおすすめできる近視治療といえます!

先ほど『友達のドクターに勧めて、とても喜ばれた』と言っていた治療はこのICLになります。それではメリット・デメリット、おすすめする人について解説していきます。

メリット

しょうた

ICLにそんなに歴史があるとは思わなかったな。
最近できた治療方法と思っていたよ。
兄ちゃん、こっちのほうもメリットとか教えてよ

目医者の兄ちゃん

レーシックとは違ったメリットもあるからぜひ参考にしてね。

近視だけでなく、乱視にも対応している

 ICLは目の中にコンタクトを入れるイメージとお伝えしましたが、コンタクトに乱視用がるようにICLにも乱視用があります。なのでレーシックと同様に、乱視があるから・・と気にすることはありません。

ただ、乱視用のレンズになると少し値段が上がります。レンズ自体の金額が上がってしまうためです。

目医者の兄ちゃん

だけど、ここはお金で考えてはいけません

乱視レンズ適応なのに、お金をケチって普通のレンズを入れてしまうと満足度がかなり落ちます!!要は、裸眼で見えるようにするために手術をするのに、乱視が残ると、結局またコンタクトやメガネをしないといけなくなるからです(ダブって見えたりします)。適応検査で乱視用レンズを入れた方がいいと言われた場合は、その通りにすることをおすすめします。

レーシック適応外の人も治療を受けることができる

先ほど、レーシックは適応がある人しか受けられないと言いましたが、ひとつ代表的なものを挙げると、近視の強さがあります。レーシックは近視が強いと受けられませんが、ICLではレーシックを受けられない程度の強い近視の人も手術を受けることができます。もともとのICLの適応は近視が強い人がはじまりでした。

また角膜が薄いからレーシックを受けられないと言われた人も角膜を削る手術ではないので、手術を受けることが可能です。過去にレーシックを受けたかったけど、適応から外れて諦めた人はぜひ検討してください!

どうしても合わない場合は入れた眼内コンタクトレンズを取り出すことができる

レーシックと同様、もちろん全ての眼科医が患者さんの裸眼視力を1.5や2.0目指して治療を行います。ただ、医療の世界に絶対はなく、矯正が強すぎ、もしくは弱めになる可能性があります。(下のデメリットにも書いているので気になる方はみてください)そうなった場合、見え方に慣れてくる場合もありますが、どうしても不自由を感じるのであれば、レンズを摘出することができます。

レンズを取り出すことになるケースは非常にまれですが、取り出すことはとりわけ難しい手術ではないので(もちろんリスクが0とは言いませんが)、そこまで心配はありません。

デメリット

     

しょうた

んー、、ICLも捨てがたいな~
デメリットも教えてよ!

目医者の兄ちゃん

そうだね。
デメリットもきいて、最後何を受けるのがいいかを決めるといいよ。

合併症のリスク

レーシックと同様、手術になるので術中、術後に合併症が起こる可能性があります。

目医者の兄ちゃん

100%大丈夫な手術というのは世の中に存在しません!

その点、ICLも合併症が起こる可能性が低く、安全な手術といわれていますが、どんなことが起こりうるのかということは手術を受ける前に知っておく必要があります。ICLについてもひとつひとつの合併症については他の記事で、詳しく書いていますので、気になった方はぜひご覧ください。ここでは一部ご紹介します!

近視の矯正が足りない or 強すぎになる可能性

これもレーシックと同様です。当然、裸眼の視力が1.0や1.5, 2.0を目指して手術をしますが、

どうしても、まれにそうならない場合があります。そうなると近視の矯正が足りなかったり、少し強めになる可能性があります。

目医者の兄ちゃん

簡単にいうと、近視の矯正が足りないというのは、少し度数の弱いのメガネをかけたような見え方、矯正が強いというのは、少し度数の強いメガネをかけたような状態になる可能性があります。

徐々に見え方に慣れてきたり、度数が変わってくる可能性もありますが、ICLの場合はレンズを取り出すという選択肢もあります。

手術費用が高額

一般的にICLはレーシックに比べて高額です。相場は両眼で60万円〜120万円といったところでしょうか。若い間はどうしても簡単に手が出せる金額ではないですが、長い目で見ると、コンタクトを使い続けるよりも経済的です。お金も手術を受けるかどうかの大事な判断要素かと思いますので、ひとつの判断材料にしてください。

ICLが向いている人

レーシックを受けようと思ったけど、無理だった人はぜひ検討してほしいと思います!近視が強くても、手術は受けられますし、乱視があっても受けられます。お金の面がクリアできるならぜひともおすすめしたい近視治療です!

オルソケラトロジー(OKレンズ)

しょうた

兄ちゃんここまで手術のことを聞いてて申し訳ないんだけど、
目は良くしたいけど、手術まではちょっと・・といってる自分もいてて、手術以外に方法はない?

目医者の兄ちゃん

完全に治すというわけにはいかないけど、日中だけ裸眼で生活できればいいという人におすすめの治療があるよ。
それが ‘オルソケラトロジー‘ だよ!

しょうた

オルソケ・・?なにそれ目薬か何か?

目医者の兄ちゃん

ちがうちがう。
別名 『OKレンズ』と言って、 夜寝ている間につけると日中は裸眼で過ごせるようになるというハードコンタクトレンズのことだよ。

目は良くしたいけど、手術まではちょっと・・」、「どんどん近視が進むのを食い止めたい」このような方にぜひおすすめする治療があります。それがこの‘オルソケラトロジーという特殊なコンタクトレンズです。

目医者の兄ちゃん

『OKレンズ』ともいいます!

このレンズは夜寝ている間につけると日中は裸眼で過ごせるようになるというレンズです。ただ、手術みたいに寝ても覚めても目が良くなるというわけではなく、効果は一時的なものになるので、やめてしまうと元通りになります。しかし、このレンズには他にはない大きな特徴があります。それが近視の進行抑制効果’といって『近視が進むのをおさえる効果がある』と言われています。

目医者の兄ちゃん

近視が出てきたお子さんに一番おすすめしています!

小学生や中学生のお子さんは、近視が出てくるとどんどん進んでいきます。コロナ禍で外遊びができなかった期間、子どもの近視がすごく進んだという研究結果も出ており、目医者の兄ちゃん自身も学校検診に行くと、この2、3年で特に小学校高学年のお子さんを見たときに近視の子が増えたな、とすごく痛感しています。

もちろん子どもだけでなく、大人でもこのOKレンズを使用している人はいてますので、気になる人はぜひ試していただくといいと思います!わたしも一度試してみたことがあります。

長くなりましたが、それではメリット・デメリット、向いている人について、みていきます。

OKレンズのメリット

手術しなくていい

夜コンタクトをつけて寝るだけなので、手術をする必要ありません!手術はしたくないけど、裸眼で日中過ごしたい!という人にはもってこいです。

日中は裸眼で過ごすことができる

これが一番大きなメリットかと思います。わたしも裸眼で見えるようになった時は感動しました!この感動を文章で表現するのはとても難しいですね・・!また患者さんで一番覚えているのは、自転車競技をしている方でOKレンズを愛用している人です。自転車競技だから、メガネは無理だし、コンタクトしてゴーグルをしても長時間すると乾燥して取れてしまう・・、レーシックも考えたけど、手術は怖い・・ということでたどり着いた答えが、このOKレンズだったそうです。

このレンズのおかげで、日中は裸眼で生活して、自転車競技にも支障なくとても快適に過ごしておられました!

近視が進むのを抑えられる

このOKレンズの一番の特徴とも言えるでしょう。ある程度大人になると、何もしなくても近視が進まなくなりますので、主に小学生や中学生がこの効果を得られると思います。オルソをつけた子とつけなかった子で近視の進み具合にどのような差があるかについての研究があるので、また機会があればご紹介します。

部活があるからメガネしたくない!だったり学校でメガネかけたくない!

こういうお子さんは日中は裸眼で過ごせるのに加えて、近視が進むのも抑えられますので一度試す価値はあると思います!

ドライアイがあってもつけられる

普段コンタクトをしている方の中には、ドライアイがある方もおられるのではないでしょうか。わたしの友達にもコンタクトしてるけど、ドライアイがあるから長い時間つけられなくて困っている・・という人がいます。このOKレンズだと、コンタクトをつけるのは夜寝ている間だけで昼間は何もつけないので、

ドライアイがあるけど、頑張ってコンタクトをしている・・

という人の苦しみを解放できるかもしれません。一度試す価値はあると思います!

デメリット

しょうた

急にOKレンズに興味がでてきたぞ・・!
デメリットとかはあるの?

目医者の兄ちゃん

もちろんいくつかあるよ。詳しく紹介していくね。

適応検査で引っかかると、OKレンズはできない

レーシックと同じようにまずは適応検査を受けます。この結果をみて、患者さんにあったOKレンズを選ぶことになります。ところがこのOKレンズには製造範囲があり、あまりに近視が強い人や乱視が強すぎる人には合うレンズがないためにOKレンズを使うことができない方がいます。その場合は、残念ながらOKレンズを諦めるしかないということになります。

初めてつけた日の翌日すぐには視力は回復しない

「先生、すぐには視力よくならないので、根気強く1週間は頑張ってくださいね」

と検査の方から言われました。まあ、知ってはいたのですが…。ただ、いざ自分が装着するときは、

目医者の兄ちゃん

「寝て起きたら視力が回復するなんて、魔法のレンズだな・・」
「明日、自分は生まれ変わってるぞ・・」

そう思って、ワクワクしながら、初日の夜を過ごしました。そして、翌朝

目医者の兄ちゃん

「えー!!全然変わってない!・・え?でも今のメガネの見え方がなんだかきつく感じる・・!?」

これは、自分の近視が強いため、裸眼では生活できるほど回復はしていないけど少し近視が治ってるために、今使ってるメガネの度数がキツく感じたのでした。

翌日には良くならないことが分かっている眼科医ですら、治療開始翌日は期待するので、患者さんはみんな翌日どれくらい見えるようになるかとても期待すると思います。しかし、翌日はそこまで劇的な変化はないです。

ただ、1週間程度我慢して使い続けると翌朝見えるようになってきます。なので最初の導入の1週間が踏ん張りどころです。

最初始める時は、つけるのが痛い

これもデメリットの一つです。なぜこうなるかと言うと、このOKレンズ、ベースがハードコンタクトレンズだからなんです。ハードのコンタクトをつけたことがあるひとはわかっていただけると思いますが、つけ始めはすごく痛いです。

わたしも一番最初につけた時は

目医者の兄ちゃん

『痛くて目が全然開けられなかった・・!泣』
でも不思議なことに徐々に慣れていきますので心配はいりません。

やめてしまうと元に戻ってしまう

寝ている間にコンタクトを使って近視を矯正するのがOKレンズです。すぐにイメージがつくと思いますが、逆に寝ている間、OKレンズをしていないと、視力は戻ってしまいます。なので、日中裸眼でいるには、つけ続ける必要があります。

一生するのか・・

と思う人もいるかもしれませんが、普段コンタクトしている人も一生コンタクトをすることには変わりないので、そこは夜するのか、昼するのかの違いと考えていただければいいのではないかと思います。

どういうひとが向いているか

しょうた

今さらだけど、とてつもない情報量だね
結局どういう人がどの治療に向いているか簡単に教えてよ。

最後にどういう人に向いているかについて簡単にまとめます。

  • 近視がそこまで強くない人で、近視や乱視(遠視も)治療したい人 →LASIK
  • 近視が強かったり、角膜の厚みが足りなくて、レーシックが受けられなかった人 → ICL
  • 手術を受けるのが怖いけど、裸眼で過ごしたい、という人 → OKレンズ

というように考えていただければいいかと思います。

ただ、もちろんどれも適応検査の結果次第ですので、気になる方は眼科を受診してみてください!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

MEISHA Mediaは、小学生の頃からの近視と乱視に悩む弟が、SNSでみた視力回復トレーニングで成果が得られず、兄である眼科医のわたしに相談をしてきたことから始まりました。日頃、手術で視力を取り戻す人々を見てきた私は、弟だけでなく、他の人たちも同じような人がいるかもしれないと思い、医学的に正しい方法を伝えるためにこのサイトを立ち上げました。私たちの経験を活かし、眼科医監修のたしかな医療情報と、信頼できる眼科クリニックを選ぶサポートができることを目指しています。

コメント

コメントする

目次
閉じる