「メガネを作るときにブルーライトカットすすめられたけど、実際どうなの?」
「眼精疲労にきくって本当?」
この記事はそんな方へ向けて書いています。
はじめまして。
私はこのブログを運営しているコーギー先生と申します。
ブルーライトカットのメガネってしたほうがいいんですか?
と外来で質問を受けることが多いです。
みなさんも同じように思ったことはないでしょうか?
有害なものをカットしてそうで、なんとなくよさそう・・
な印象をお持ちの方も多いはず。
ただ、じつは2021年に海外で行われた研究結果で
『ブルーライトカットメガネに眼精疲労に対する効果はなかった(医学的根拠なし)』
という結論がでています。
そこで今回は
(ブルーライトカットメガネと眼精疲労の関係)
について解説していきます。
それではよろしくお願いします。
そもそもブルーライトってなに?
まずは最近よく耳にする「ブルーライト」について、シンプルにお話ししましょう。
ライト(光)には種類がたくさんありますが、私たちが普段見ている色んな色の光は、実は「可視光線」という光の一部です。そしてこの可視光線の中には、色々な波長(400~800nm)の光が含まれています。
その中で波長が380~500nm(ナノメートル)の範囲の光が、このブルーライトになります。
ちなみに、波長が400nmよりも短い光は「紫外線」、700nmよりも長い光は「赤外線」と呼ばれます。
それらの波長の光のうち、私たちの目はおおよそ350nm~800nmの波長の光を通します。
この中で、紫外線に一番近い、エネルギーが強い光がブルーライトなんです。
ブルーライトは私たちの目に届く光の中で、とてもエネルギーが強い光です。
眼精疲労に効果はなかった
そんなにエネルギーが強い光だったら、カットしたほうがよさそう・・
と思いますよね。
そこで以前オーストラリアで臨床研究が行われ、
『ブルーライトカットメガネは有効かどうか』を検証したところ、
あまり効果はなかった、という結論が出ています。
この結果を受けて、アメリカの眼科学会からも眼精疲労対策として推奨しないと発表されています(https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/are-computer-glasses-worth-it)。
じつはブルーライトには、メラトニンという睡眠にかかわるホルモンの分泌ともかかわっているため、やみくもにカットしないほうがいいのかもしれません。
オーストラリアで行われた臨床研究
先ほど紹介した臨床研究の内容をすこしお伝えしたいと思います。
研究対象となったのは18~40歳の人でいずれもパソコンを日常的に使っていて
目の疲れを感じている人、120人でした。
これらの人たちをランダムにブルーライトカットメガネをするグループ、普通のメガネをするグループに分けて、本人たちはどちらのメガネをしているかわからないようにします。
そして2時間後、目の痛み、目の疲れ、ドライアイ症状、目の違和感などに関する問診を再度行い、結果を評価します。
すると、ブルーライトカットメガネをしているグループ、していないグループを比較しても結果に差がないことがわかりました。
さいごに
ここまで、ブルーライトカットメガネは眼精疲労対策に有効かどうかについて解説してきました。
結論としては、今のところ効果はないという結果で、眼精疲労対策に推奨とはなっていないということになります。
今回紹介したのは2021年に発表された研究結果でしたが、今後また違った研究結果が出てくれば、変わってくるかもしれません。
そのときはまた紹介できたらいいなと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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