レーシックって何?安全なの?眼科医になった兄ちゃんに聞いてみた

しょうた

レーシックってよく聞くんだけど、いまいちよくわからないんだよな。目医者のお兄さん、わかりやすく説明してくれない?

目医者の兄ちゃん

おっけー。家族だし、気兼ねなく聞いてくれ。そっちのほうが私もトレーニングになるしね。

近視や乱視を治し、視力を回復させる手術として有名なレーシック。
いろんなサイトですでにたくさん解説されており、レーザーで角膜を削って…ということはよく知られていますが、今一度わたしたちも解説していきたいと思います。

目次

1. レーシックとは

レーシックは、レーザーを用いて角膜(黒目)の形状を変更し、視力を矯正する手術方法です。この手術は特に近視、遠視、そして乱視を持つ人々に適用され、多くの患者さんが視力回復を経験しています。レーシック手術は、角膜の表面に薄いフラップを作り、その下にある角膜組織に精密なレーザー光を照射することで行われます。

目医者の兄ちゃん

簡単にいうと、黒目にレーザーをあてて、黒目の形をかえることによって近視を改善させる治療ってことになります。

この手術の最大の魅力は、「手術が早く終わること」と「すぐに効果を実感できること」にあります。ほとんどの場合、レーシック手術は数十分で終わり、多くの患者さんは手術翌日から視力の改善を実感します。また、レーシックは非常に痛みが少なく、手術後の回復期間も短いため、日常生活への復帰が迅速です。

目医者の兄ちゃん

翌日に見えるようになるっていうこともレーシックのメリットです。

しかし、レーシック手術を行うにはいくつかの条件があります。角膜の厚みが十分であること、定期的な眼科検診で視力の変化が安定していることなど、事前に詳細な眼科検査が必要です。これは、手術の安全性と効果を最大限に保証するため必要な条件になります。

最近、レーシック手術は技術の進歩により、さらに安全で正確なものになりました。最新のレーザー機器を使用することで、患者さん一人ひとりの眼の形状に合わせたカスタマイズされた手術が可能になっています。いまやレーシック手術も「オーダーメイド」な治療になっています。これにより、手術後の視力の質が向上し、合併症のリスクが低減されています。

目医者の兄ちゃん

レーシックは眼科の中でも行っている施設が少ないので、きちんとした実績のある病院でうけることがおすすめです!

2. レーシックの歴史

目医者の兄ちゃん

ここはウンチクだから、興味がある人だけ読んでね。
読み飛ばして全然OK!

レーシック手術の歴史は、1980年代に始まります。この時代には、視力矯正手術は主に物理的な手法に依存していました。しかし、1989年にエキシマレーザーが角膜組織を精密に除去できることを発見したことで、眼科手術に革命がもたらされました。

1990年代初頭、レーシック手術は商業的に利用され始め、角膜の屈折異常を修正するための有効な手段として広く認識されるようになりました。この新技術は、従来の手術方法と比べてより精密で、回復時間が短いという利点がありました。

レーシック手術の安全性と効果は、その後数十年にわたる臨床研究と技術革新によって大きく向上してきました。初期のレーシックは、レーザーの制御が限られていたため、合併症のリスクが比較的高かったです。しかし、現在では、ウェーブフロント技術やフェムトセカンドレーザーといった革新的な技術が導入され、手術の正確さと安全性が大幅に向上しています。

これらの進歩により、レーシックは視力矯正手術の中でも特に人気が高く、効果的な方法として世界中の多くの患者に選ばれています。現代のレーシック手術は、患者の眼の状態に合わせてカスタマイズされ、最適な視力矯正結果を提供することが可能です。

レーシック手術の歴史を振り返ると、この治療がどれほど速く進歩したかがわかります。今後もさらなる技術の発展に伴い、さらなる進歩が期待されています。

3. レーシック手術の流れ

目医者の兄ちゃん

おそらく患者さんとしては、術前に検査を受けて、手術当日は目薬の痛み止めをした後、レーザーを当てていつの間にか手術終了してる、っていう感じだと思います。しかし、その間に実はかなり集中してドクターは治療にあたっています。

レーシック手術は、その「手術時間の短さ」で「手術翌日には視力が回復する」という効果の高さで知られていますが、この短時間の手術は実は非常に精密で慎重に行われていて、その結果、素晴らしい手術成績を残すことができます。

手術前の準備

手術の前に、目の詳細な検査が行われます。これには、角膜の厚み、形状、視力検査などが含まれ、手術計画のための重要なデータになります。

目医者の兄ちゃん

この手術前の検査が非常に重要で、検査データが気になった場合は、もう一度検査を行ったりすることがあります。それくらい術前の検査は重要なんです。

手術の主要なステップ

  1. 局所麻酔の適用: まず、患者の目には局所麻酔の目薬が点され、手術中の不快感を最小限に抑えます。
  2. フラップの作成: 次に、レーザーを用いて角膜表面に薄いフラップを作成します。
  3. 角膜の再形成: フラップを持ち上げた後、エキシマレーザーが角膜の下層部分に照射され、視力矯正のために角膜の形状が精密に再形成されます。
  4. フラップの再配置: 最後に、フラップが元の位置に戻され、自然に治癒するように残されます。

手術後の回復

手術直後はものすごくぼやけて見えるため、不安になる方もおられます。そのためまずは短時間の休息を取ります。手術翌日には明らかな視力改善が感じられますが、完全な安定には数日から数週間かかることがあります。手術後のフォローアップは非常に重要で、指示された通り目薬をしたり定期的な診察が重要になります。

レーシック手術は、総合的なアプローチと最新の医療技術により、多くの人に視力改善の恩恵をもたらしています。この手術プロセスの理解は、患者が手術に向けて準備し、安心して進むための重要なステップです。

4. レーシックの利点とリスク

目医者の兄ちゃん

レーシックには利点もあるけど、リスクもあります。
どんな手術にもノーリスクの手術はありません。
理解したうえで、手術をうけましょう。

利点

レーシック手術最大の利点は、速やかな視力回復と日常生活への迅速な復帰が可能であることです。手術は通常、30分以内に終了し、多くの患者は手術の翌日から通常の活動を再開できます。また、レーシックは痛みが少なく、長期にわたるメガネやコンタクトレンズの依存から解放されるというメリットがあります。

リスク

一方で、レーシック手術にはいくつかのリスクや潜在的な副作用が存在します。最も一般的な副作用は、手術後の目の乾燥(ドライアイ)です。これは通常、人工涙液という市販の目薬や病院で処方する目薬で管理できますが、一部の人にとっては長期間の問題、つまり後遺症となることもあります。また、夜間や暗い環境での視力の問題(ハロー現象やスターバースト)が生じることがあります。これらの症状は、大抵の場合、数週間から数か月で改善されますが、稀に長期にわたることもあります。

重要なのは、レーシック手術が全ての人に適しているわけではないという点です。手術前の詳細な眼科検査と評価により、手術の適応となるかどうかが決定されます。しっかりと適応を見極められれば、リスクは最小限に抑えられ、手術の成功率は高くなります。

安全性への取り組み

レーシック手術の技術は年々進化しており、安全性の向上とリスクの低減が図られています。現代のレーシックは、カスタマイズされた手術計画と精密なレーザー技術により、個々の患者の眼の状態に合わせた最適な治療を提供できるようになっています。しかし、手術を検討する際には、利点とリスクの両面を十分に理解し、信頼できる眼科医に治療を受けることが重要です。

5. レーシック手術の適用条件

目医者の兄ちゃん

レーシック手術を受けられるかどうかはいくつかの条件によって決まるんだ。自分で判断できるものと、検査を受けないとわからないものがあるので、まずは自分で判断できる部分をクリアしているかどうかをみてみてね。

年齢と視力の安定性

一般的に、レーシック手術を受けるには18歳以上で、少なくとも過去1年間視力が安定している必要があります。これは、成長段階にある若い人々の視力が変化し続ける可能性があるためです。

角膜の病気がないことと角膜の厚みが十分にあること

これは病院で検査を受けてみないとわかりませんが、レーシック手術では角膜の一部をレーザーで削ります。そのため、角膜に異常がなく、十分な厚みがあることが要求されます。角膜が薄い人や角膜に疾患がある人は、手術のリスクが高まる可能性があるため、レーシックは推奨されません。

一般的な眼の健康

眼に疾患が存在する場合、例えば白内障や緑内障、網膜疾患などがある場合には、レーシック手術を受けることは推奨されません。また、重症なドライアイがある人も術後にドライアイが悪化するためリスクが高まります。

生活習慣と職業

一部の生活習慣や職業も、レーシックの適用に影響を与える可能性があります。例えば、極端に過酷な環境で働く人や、ボクシングなどのコンタクトスポーツに従事している人は、手術後の目の保護が難しい場合があります。

妊娠と授乳

妊娠中や授乳中の女性は、ホルモン変化によって視力が一時的に変わる可能性があるため、この期間中のレーシック手術は通常避けられます。

総合的な評価

これらの条件は、レーシック手術が安全かつ効果的に行われるための基準です。個々の患者の状況に基づいて、眼科医が総合的な評価を行い、手術の適用可否を決定します。患者個人の健康状態やニーズに合った最適な視力矯正方法の選択は、専門家のアドバイスに基づいて行われるべきです。

6. 手術後のケアと回復期間

目医者の兄ちゃん

術前の次に大事なことは術後、きちんと目をケアできるかどうかなんだ。手術を成功させるには非常に重要です。

手術直後のケア

レーシック手術直後は、目が一時的に乾燥しやすくなるため、医師が処方する人工涙液や抗炎症目薬の使用が推奨されます。また、目をこすったり、強い摩擦を避けることが重要です。この時期には、埃や細菌による感染のリスクを避けるために、水泳やサウナのような活動を控えることも求められます。

回復期間

レーシック手術後の視力の回復は迅速ですが、完全に安定するまでには個人差があります。多くの患者は手術後数日以内に日常生活に戻ることができますが、最終的な視力の安定には数週間から数か月かかることもあります。この期間中、定期的な眼科診察を受けることが、回復過程の適切な管理と潜在的な問題の早期発見に役立ちます。

長期的なケア

レーシック手術後も、定期的な眼科検診は視力の健康を維持するために重要です。特に、手術後の初めの1年間は、定期的な眼科通院が推奨されます。また、ドライアイが続く場合は、長期的なケアとして特別な目薬や自分の生活環境の調整が必要になることがあります。

7. レーシックと他の視力矯正手術との比較

目医者の兄ちゃん

レーシックは最も一般的な視力矯正手術の一つですが、他にも選択肢はあります。これらの手術方法は、それぞれの患者の特定のニーズや条件によって異なる適用があります。自分でどの手術が向いているかの判断は難しいと思うので、実際は眼科医と相談の上決めることになります。

PRK(表面層屈折矯正手術)

PRKはレーシックよりも古い手術法で、レーザーを使用して直接角膜表面を再形成します。PRKはレーシックに比べて回復期間が長いですが、角膜が薄い人に適しているという利点があります。

LASEK(ラゼック)

LASEKは、フラップを作らないため、角膜が薄い方や格闘技をする方に向いている治療になります。PRKに似ていますが、回復が少し速く、痛みが少ないことが特徴です。

ICL(眼内コンタクトレンズ)

ICLは、眼内に特別に設計されたレンズを挿入することで視力を矯正します。高度な近視や乱視に有効であり、レーシックやPRKが適用できない場合の選択肢として利用されます。

8. まとめ:レーシックで期待できること

目医者の兄ちゃん

少し長くなったけど、最後にレーシックについてまとめておくね。

レーシック手術は、視力矯正手術の中でも特に人気が高い方法の一つです。この手術によって、多くの患者が新たな視界を得て、日常生活の質を改善できます。

視力の顕著な改善

レーシックの最大の魅力は、迅速で顕著な視力の改善です。多くの患者が手術後すぐに明らかな視力向上を体験し、その多くがメガネやコンタクトレンズなしで日常生活を送れるようになります。

日常生活への迅速な復帰

レーシック手術の回復期間は短く、多くの患者が手術翌日から通常の活動を再開できます。これにより、仕事や趣味など、日常生活への影響が最小限に抑えられます。

生活の質の向上

視力矯正により、多くの患者は運転、スポーツ、読書などの活動をより快適に行えるようになります。また、メガネやコンタクトレンズに関連する不便やコストから解放されることで、生活の質が大きく向上します。

長期的な視力の安定

レーシック手術は、一度の手術で長期にわたる視力の安定をもたらす可能性があります。ただし、年齢に伴う視力の変化、例えば、老眼が出てきて、手元が見えにくくなったり、近視がまた出てくることがあるので、注意が必要です。

安全性と信頼性

レーシックは長年にわたる研究と臨床経験に裏打ちされた安全性と信頼性があります。最新の技術によってリスクは大幅に減少していますが、手術を検討する際には眼科の専門家との十分な相談が重要です。

レーシック手術は、適切な患者にとっては視力矯正の非常に効果的な選択肢です。しかし、手術にはそれぞれの患者に適した条件や適用範囲があり、個々の状況に応じて最適な方法を選択することが大切です。

目医者の兄ちゃん

以上!少し長くなったけど、雰囲気だけでもわかってもらえたらいいな!と思います!

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この記事を書いた人

MEISHA Mediaは、小学生の頃からの近視と乱視に悩む弟が、SNSでみた視力回復トレーニングで成果が得られず、兄である眼科医のわたしに相談をしてきたことから始まりました。日頃、手術で視力を取り戻す人々を見てきた私は、弟だけでなく、他の人たちも同じような人がいるかもしれないと思い、医学的に正しい方法を伝えるためにこのサイトを立ち上げました。私たちの経験を活かし、眼科医監修のたしかな医療情報と、信頼できる眼科クリニックを選ぶサポートができることを目指しています。

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